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<コメント> 美術手帳(1974年11月号)を始めて読んだのは大学2年時である。気に入った特集の折に買っていが、 その後職場で定期購読することにし、2020年の退職する時まで続いた。創刊73年現代美術を中心に注目 のアーティストや展覧会を深く掘り下げてきた美術評論雑誌だが、若者の文字離れとデジタルコミュニケ ーションツールの発達の影響から廃刊も噂され、月刊から美術手帳も隔月発行となり苦しい運営が続いて いる。また、この2年間新型コロナの影響で社会も経済も停滞を余儀なくされてきたが、美術も例外では ない。今回の個展では、回らなくなった美術界を回すということをテーマとして掲げる。そこでアート表 現として、ジョークを交えながら自らの表現のよりどころの一つとなってきた美術雑誌を箱の上で個展期 間中回し続ける。高速で回転する冊子は、手に取って中身を見ることはおろか、表紙の写真や文字も判読 不能となる。応援するつもりで回した美術雑誌は、逆に写真や文字から意味が剥奪され、視覚的イメージ のみが残る。 正面の壁面には、google earth による地球が映し出され、1974年11月から2020年3月までの月日を確 認するように回転し続ける。 今まで自分の美術作品を形作ってきた根幹を再度見つめなおす機会であるとともに、新たな表現への 挑戦の入り口とした展示である。
美術を回すー美術評論を振り回す、或いは振り回されるー (h 270×w 550 ×d 900cm) 電磁石、磁石、リレー、リードスイッチ、ガラス、木 等 ギャラリーアートカゲヤマ[藤枝] 2021
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