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<コメント> 国境の壁といえばかっての冷戦時代には東西ドイツの分断の悲劇を象徴するものであっ たが、今ではアメリカとメキシコとの境に作ろうと言ったトランプ大統領の発言を思い浮 かべる人も多いかもしれない。そのような壁は古今東西様々なところで作られてきた。そ の主な理由は民族・宗教・イデオロギー等の違いや経済格差などから生まれる周辺国への 敵対意識であろう。ウェゲナーの大陸移動説によれば2億年ほど前には、今分かれている アメリカ、アフリカ、ユーラシアなどの大陸はほぼ一体化しており、それが徐々に移動し て今の地形が形成されたということである。その後様々な経緯を経て多くの国家が成立し ていった。 会場には、かつて一塊だった頃の地形に現在の世界地図を配し、国境の形をテーピング した。そこにラインセンサーが反応し枠内を動き回るロボットを置いた。そのロボット達 は国境を守る警備兵であったり、国家権力によって外国への移動を禁じられた人々とも取 ることができる。また境に沿って竹による柵を設置し、ロボットの発する光がそのシルエ ットを刻々と変化させる。それは侵略や内紛により今も変化し続ける国境の状態を示す。 国境の意味をもう一度意識する装置としての作品である。
国境 h250×w900×d500cm led蛍光灯,アルミニウム,ic,サーボモーター、キャスター、竹,養生テープ,AC100v等 個展[アートカゲヤマ画廊] 2017
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