現 代の世界は「力による支配」に満ちあふれている。そこでは、弱者への思いやりや正義への希求が削ぎ落とされているかのよう だ。戦争がもたらす悲劇の大きさを、私たちは歴史から学んできたはずである。特に日本は、戦後の平和を礎に経済発展を遂げ、 豊かな社会を築き上げた。それにもかかわらず、昨今の緊迫する世界情勢に同調するかのように、いま 再び「より強い国の実現」 を掲げ始めている。
こ のような状況下で、アートは何をなし得るのか。まずは表現者である私自身が諦めずに社会へ目を向け、鑑賞者が主体的に介入で きる作品を目指した。
展 示作品『ロケットの火炎を花束に』は、日々メディアを流れるロケット発射の応酬に着想を得ている。回転する発光糸で 表現された火炎に、鑑賞者自らが糸を絡ませることで、それは「花束」へと変容していく。作品への介入を通じて、「自 分に何ができるか」という個々の思考を促す試みである。

ロケットの火炎を花束に
(h 230×w 500 ×d 300cm)
ボタニカアートスペース「静岡」
2026


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