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今回の作品【呼吸・あの頃】は、2014年アートドキュメントにおいて屋外展示した【森の呼吸】に続く 呼吸シリーズの2作目となる。  前回は、森の中を吹き渡る風が、紙と竹による大きなウチワ状の造形物を動かし、それによって音が発生する装置を作った。それは、自 然の中での心地良さを音により顕在化したものであった。今回は扇風機と偶然の要素により、室内に起こる風が障子を動かしそこに繋がれ た、藁つみの中の装置を動かし音を発生する。  紙と木からなる障子は光や空気を優しく通し、部屋の内外を柔らかく仕切るものである。扇風機との組み合わせも、日本の家庭にすっか り馴染んできた光景で、今では懐かしささえ覚えるという人も多いのではないか。閉ざされた空間をエアコンで空調するのとは違う開放感 がここにはある。  積みわらの中に仕組まれた装置によって空気の流れを音に変換することで、より鮮烈に風の存在を感じてもらい、ノスタルジックであり ながら不穏な雰囲気を醸す空間のなかで、自然と人がどのようなバランスで共存していくのが望ましいのかということに思いを馳せてもら おうというインスタレーションである。


呼吸・あの頃

h250×w900×500cm
扇風機、障子、竹,藁,ウオータージャグ、 塩ビパイプ,AC100v 等
2015


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