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<コメント>
アートとしてのロボット作りに挑戦してみたのが今回の作品である。左右に屈折しながら移動するこのムシ型のロボット彫刻は、前方に超音波セン サーを有し人あるいは物体との距離を判定しその距離によって前進、後退を決定する。プログラム上では、30cm以上60cm未満の間でゆっく り後退、60cm以上90cm未満の間で大きく体を曲げながら後退、90cm以上 120cm未満の間では大きく体を曲げながら接近、120cm以上 160未満内であれば穏やかに接近する。対象から160cm以上はなれると動作を停止し、30cm以内接近しても停止する。関節には大型のサーボモーターを使用し、前方と 後方の下部には小型サーボモーターにより上下に動く足を設け、タイミングに合わせて踏ん張ることで前進後退を可能とした。外形は厚さ3mmの アルミニウムの鍛造と溶接によるもので、重量が6kgあるため、動力電源はAC100Vを有線で供給する仕様とした。そのため動きの範囲は限 定的なものとなっている。これとハードウェア的にはまったく同様で、動きを左右逆転してプログラムしたものをもうひとつ作った。二つのロボッ トは同じ条件を与えられれば左右対称の動きをするはずであるが、作品の周囲を自由に動きまわる鑑賞者に対応して、またお互いの作品の接触に よって、時間の経過に伴いさまざまな誤差が生じて異なる存在となっていく。これは双子の兄弟が環境の変化によりそれぞれの個性が確立されてい く過程と似ているため、今回タイトルを「Twins」とした。左右に身をくねらせ不器用に動き回るこの作品は、目的に向かってまっしぐらに突 き進むスピード優先の機械とは対照的に、滑稽で非効率な存在となった。


ツウィンズ
アルミニウム、サーボモーターr、センサー,ic,AC100v etc.
h30×w180×180cm
[新国立美術館]
2014


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